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新しいものと古いものが共存する街、アムステルダム。17世紀の街並み、のどかな運河、木製の跳ね橋や、教会の鐘の音。その昔ながらの風景に花をそえるように、さまざまな場所にモダンデザインがあしらわれています。1920年代、もとは古い伝統に挑戦しようと発達したモダンデザインですが、アムステルダムという街には、その革新的デザインさえもうまく取りこんでしまう包容力がありました。歴史や伝統を大切にする一方で、新しいものにも寛容なのがダッチスタイルなのです。

古いものが新しいものを取りこんでいくように、新しいもののなかには必ず、古いものが融けこんでいます。今日のダッチデザインと言えばまず注目されるのが、そのシンプルさと機能性、またスタイリッシュな演出といった「新しさ」。けれど奥深くルーツをたどれば、伝統工芸や伝統技術、日々の暮らしや下町情緒といった「古き良きもの」に辿りつきます。洗練されたデザインを生み出した、歴史や伝統、雑多な風景や日常の暮らしにこそ、ダッチデザインのエッセンスが隠されているのです。

「伝統」、「老舗」、「下町」、「日常」をキーワードに、新旧デザインの心地よいコントラストと調和を、アムステルダムからリポートします。

※2008年から2011年までJDNで連載していた海外リポート『オランダ下町情緒』の続きです。

>>連載第1回から第16回のバックナンバー

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テメル華代/イラストレーター

1977年山形県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。アムステルダム・ワッカース美術アカデミー卒業。2001年よりオランダに在住し、絵画やイラスト、絵本の制作を行っている。>>イラストポートフォリオ >>絵画ポートフォリオ

 

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